メンタルモデルとは?
突然ですが、「メンタルモデル」という言葉を耳にしたことはありますか?
自分自身や他人のことをよりよく理解するための一つのツールとして、とても心強い考え方です。
・もっと挑戦したい、活躍したい
・職場や家庭などの人間関係を改善したい
・自分の好きなことで生きていきたい
など、どんな課題をもった人でも、メンタルモデルの視点に立って自己理解を深めていくことで、解決の糸口を見つけることができます。
※僕自身のメンタルモデルについてはこちらをご覧ください↓

では、メンタルモデルとは一体何でしょうか?

基本的には↑このウェブサイト(と、そこで紹介されている『ザ・メンタルモデル』という書籍)をお読みいただくのが一番早いのですが、この記事ではその入口の部分だけ、僕なりの解釈も含めて紹介していきたいと思います。
「メンタルモデル」、とは、誰もが無自覚に持っている「自分は/世界はこういうものだ」という人生全般の行動の起点になっている信念・思い込みです。
私たちは幼いころに「この世界にあるはずだ」と思っている大切なものが、期待していた形では「ここには”ない”」 という何らかの欠損の”痛み” を体験します。
その際に、「自分が/世界は ◯◯なんだ、(だから仕方ない)」と思考を使って理由づけし、この痛みの感覚を切り離そうとする、という働きが無意識で起こるようです。
この時に形成される「自分は◯◯だ(だからこの痛みが起きたんだ)」という自分やこの世界に対する”判決” のような完全無自覚な信念・思い込みをメンタルモデルと呼びます。
http://mentalmodel.jp/
コーチングをしていると、人が抱えるあらゆる悩みやモヤモヤは、ほとんどの場合その人の持つメンタルモデルから説明できてしまうことを痛感します(笑)
それは、メンタルモデルが人生に無自覚な行動パターンを生み出し、その人のあらゆる発想や言動を作り出す「人生のOS(オペレーションシステム)」になっているからです。
『ザ・メンタルモデル』では、人間のメンタルモデルを以下の4種類に分類しています。

この4つのモデルが比較的よくできているので、上述した書籍の記述をもとに簡単に紹介していきます。
皆さんも「自分はどのモデルかな?」と考えながら読んでみてください。
A:「価値なし」モデル(私には価値がない)
価値なしモデルの根本にある痛みは、「自分がただありのままで存在しているだけでは、価値あるものとして認められない」というものです。
その結果、他者に対して価値を出せなかったら自分が存在する意味はないと思い込んでいます。
この痛みを避けるため、このタイプの人は承認欲求からがんばって能力をひたすら高め、自分の価値を証明するために他人の期待に応え続けます(僕がまさにこのタイプでした)。
高い達成意欲を持つ人が多いので、学校や会社では「優秀な人」として認められやすく、社会的に成功している人と見られがちです。
しかしこのタイプの問題は、常に他人からの承認や評価を追い求めて全力疾走し続ける結果、自分が本当は何をしたいのか、どう生きたいのかを見失ってしまいがちであるという点です。
価値なしモデルの人にとっては、自分の価値を認める軸を「他者からの評価・承認」から「自分の内なる声」へと移行させることが、豊かな人生を送るためのカギになります。
B:「愛なし」モデル(私は愛されない)
愛なしモデルは、自分が求める愛をもらえない、自分は望む形で愛してもらえないという思い込みから、常に寂しさを抱え、人との深いつながりに対する渇望感と不安に悩まされています。
典型的な回避行動としては、自分を愛してもらうためにひたすら相手に奉仕するという形で、自己犠牲的に愛を与えようとするパターンです。
しかしほとんどの場合、そのような自己犠牲的な愛は徒労に終わり、「こんなに自分は愛をかけているのに、自分は相手から望むようには愛されない」というさらなる渇望と不安が増大していくことになります。
愛なしモデルのOSの支配から脱却するためには、他人に対する愛の前に、まずは自分自身に対して無条件の愛(ありのままの自分への愛)を与えられるかがポイントになります。
C:「ひとりぼっち」モデル(私は所詮ひとりぼっちだ)
ひとりぼっちモデルの人は、「所詮、人や世界とのつながりは絶たれるものだ。人は自分のところから離れていくものだ」という割り切りの感覚と、「どうせ自分はこの世界に一人で生きているんだ」という独特の孤独感を持っています。
他人の評価を気にせず、強く一匹狼的で、個性的に見える人が多いモデルで、「来るもの拒まず、去るもの追わず。自分は自分の道を行く」タイプです。
このモデルにおいては、自立した自己を持っているという強みを自覚しつつ、一方で、本当は生命として一つの世界でつながっているという感覚を持てるかどうかが大切です。
自立と一体感を統合する生き方をすることにより、自分の信念に従って新しい世界観や価値観を打ち出したり、パイオニア的な役割を果たしていくことができます。

D:「欠陥欠損」モデル(私には何かが決定的に欠けている)
欠陥欠損モデルは、「自分はどこか出来損ないだ」「補えない欠陥を持って生まれてきてしまった」という信念をもっています。
「自分はここにいてはいけないんじゃないか」といった世界に自分が存在することに漠然とした不安を抱え、自分を責める傾向があります。
このタイプの人が求めるものは、「この社会、この世界に自分がそのままで存在していられることの心理的な安心感」です。
そのため、「欠けている」と思える部分も含めてありのままで自分は完全な存在であり、その自分としてこの世界に安心して居ていいんだという感覚が、豊かな人生を生きていくためのカギとなります。
まとめと「メンタルモデルの使い方」
記事タイトルを「ゆるく」解説としていましたが、書き出してみるとあんまり「ゆるく」なくなってしまいすみません(笑)
さて、メンタルモデルとは、誰もが無自覚に持っている「自分は/世界はこういうものだ」という人生全般の行動の起点になっている信念・思い込みのことを言います。
人間が持つメンタルモデルは、おおよそ、
A:「価値なし」モデル(私には価値がない)
B:「愛なし」モデル(私は愛されない)
C:「ひとりぼっち」モデル(私は所詮ひとりぼっちだ)
D:「欠陥欠損」モデル(私には何かが決定的に欠けている)
という4つのモデルに分類することができるとされています。
とはいえ、実際に自分が内省をする時やコーチングをする場面では、「4つのモデル」のどれかに当てはめるというよりも、自分や誰かが持つ「痛み」のもとになった原体験や、メンタルモデルが人生に与えている影響を丁寧に紐解いていくことになります。
(4つのモデルはあくまで簡易的・便宜的なもので、人間を観察する一つのレンズとして、自己理解・他社理解を深めるために役立つツールだといえます。)
僕自身、メンタルモデルという考え方を知ってから自分に対する理解が何倍も深まりましたし、コーチングの場で相手のメンタルモデルを一緒に探していくことも少なくありません。
とはいえ人の心理というものは奥深いもので、僕もまだまだメンタルモデルの「初心者」です。
コーチングの実践を通して、もっともっと探求を続けたいと思います!
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