長女はレット症候群
レット症候群という先天性の病気をもつ我が家の長女(6歳)は自分で立てず、歩けず、喋れません。
長女のお世話はたしかに大変なこともありますが、天使のような存在の彼女のおかげで我が家はとても幸せな日々を過ごせています。
もし長女がいなかったら、どんな家庭になっているのか想像がつきません。それくらい我が家の中心的存在です。

レット症候群という病気には以下のような特徴があります。
(レット症候群の特徴)
- ほとんど女の子にのみ生じる、遺伝子異常に伴う神経疾患(1万人に1人くらい)
- 出生後半年くらいは正常な成長発達を遂げるが、その後運動面の遅れや「退行」が出てくる
- 手の運動機能の障害、音声言語・発語の障害、歩行障害、手の常同運動(手をねじる、手を揉むなどの運動)などの症状
- 表情は豊かで「可愛い子」として育つことが多い
- 根本的な治療方法はなく、対症療法のみ(いわゆる「不治の病」)
とっても不思議な病、レット症候群のことを知るにはぜひこの動画をご覧いただけるとうれしいです!
ここで説明されているレット症候群の特徴はほぼ100%、我が家の長女にもあてはまります。
「そうそう、まさにこんな感じ〜!」というあるある(?)が詰まった動画なので、ぜひ多くの方に観てもらいたいです!(1.5倍速くらいでちょうどよいかも)
難病のリアルな生活
実際には人によって障害の程度は違いますが、現在の長女は、以下のような状態です。
- 自分で立てない、歩けない
- 喋れない、目や手を使った意思表示もほとんどできない
- 言葉を理解したり自分の頭で考えることはほとんどできていない(知能的には生後半年〜1年くらいのイメージ?)
- 自分の意思で姿勢を保持したり物を掴んだりすることが難しい
- そのため、食事・お風呂・排泄などは一人ではできない
レット症候群のリアルな日々な生活は、こちらの動画をご覧いただけるとすごくイメージしやすいと思います。
うちの長女は昔からダンスを見たり音楽を聞いたりするのは大好きなので、6歳になった今もNHKの「おかあさんといっしょ」はお気に入り。
好きな歌やダンスが始まるとケラケラ笑いながら見ています。
弟たちが激しく遊んでいるのを見るのも好きなようで、いつも笑顔で見守ってくれるお姉ちゃんです。
ただし、油断すると極度の猫背になり背骨が湾曲してしまう危険があったりするため、できるだけそうならないよう、家の中でも立位台というものを使って立つ訓練などはしています。
不安な日々:レット症候群だとわかる前
長女について親として一番心配をしていたのは、レット症候群とわかった後ではなく、むしろ病名がわかる前の時期でした。
「少し様子がおかしいかな」と思い始めたのは1歳を過ぎた頃。
周りの「普通の子」と比べて、だんだんと成長のギャップが顕著になってきました。
ハイハイはできたけど、一向に自分の力で立ち上がろうとせず、
ジェスチャーなどの意思表示やおしゃべりも出て来ない状態で、おかしいかなー、まだかなーと思いながら、1歳半になり、2歳になり、そしてついに3歳に…
しかも、この頃になると、成長における「退行(以前できていたことができなくなる)」という減少も見られてきました。
例えば、
- 以前はお座りの状態で子供用のボールを転がすと喜んでキャッチして投げ返していたりしたのに、まったく反応しなくなったり、
- 以前はお皿に盛られたご飯を手でつかんで口に運べていたのに、物を手でつかむこと自体が難しくなったり、
- 以前はハイハイで移動できていたのに、自力移動は不可能になったり…
こんな感じで、本来「できることがどんどん増えていくはずの時期」に、我が子は「できないことがどんどん増えてくる」という状態。これはなかなか心配でした。
他方で、昔から表情や感情表現は豊かで、目が合えばにっこりと微笑むし、周りの空気を察知できて、皆が楽しそうにしていると声を出してよく笑っています。
こんな子は周りの誰に聞いてもあまり例がなく、
「色々できない原因は何なのだろう?」
「普通の子と同じような成長曲線に戻る可能性はあるのかな?」
「成長が遅いのは、環境のせい?親のせい?今からでも何かできることはある?」
などなど、考えることもありました。
今振り返ると、「明らかに成長が遅いのに、その原因がわからない」という状況と、「その原因が自分たち(親)にあるのでは?」という疑いの気持ちに、苦しんでたのだと思います。
そんな期間が2年ほど続いたのですが、3歳の時、ついに病院でレット症候群と診断されました。
その時の正直な気持ちは「ホッとした」というものでした。
▶後編につづく…

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