全き変態たれ!
私たちはみな変態としてこの世に生まれ落ちた。
考えてもみてほしい。
一日中母親の乳房をしゃぶり回し、チューチュー吸い続けるなんて十分に変態行為だ。
少し大きくなったと思ったら、庭で無数のダンゴムシを一つの椀に集めて、ニヤニヤ笑っている。
立派な変態といえよう。
しかし、彼らは年を重ねるごとに変態性を削ぎ落としていく。
偉大な変態性を自室の机の引き出しへと押し隠す。
そしてついには、自らの変態性を(あろうことは無意識に!)忘れ去る。
大人たちは、変態性を除去することが社会に受容されるための条件であるかのように教えてきた。
変態性の隠蔽!
だが、「大人たち」に負けてはならない。
自らの変態性を発掘し、磨きをかけ、誇りを持って叫ばなければ。
「全き変態」として。
そういえば、地球上の生物たちも変態ばかりだ。
一生アリだけ追いかけて食ってる動物もいれば、交尾中にメスに食べられて喜んでいる虫もいる。
正真正銘の変態だが、彼らはそれで幸せそうだ。
とはいえ、私たちは人間である。
どうせ変態になるのなら、それによって世界の一隅に生きる、どこかの誰かと心を通わせることができたらうれしいとも思う。
たった一人でいい。私のことをわかってくれる人がいてさえくれれば。
そんな変態たちが教室中に溢れたら、どんなに愉快なことだろう。
人よ、全き変態たれ!
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