「リベラルアーツ」と「コーチング」という耳慣れない2つの言葉。
これらの共通点は何なのか、なぜ僕がこの2つのテーマについて人生を賭けて探求したいと思ったのか。
それが今回のお題です。
リベラルアーツとは
リベラルアーツという言葉は古代ギリシャ・ローマ時代の学問体系に由来し、もともと「自由人が身につけるべき自由七科」(文法学・修辞学・論理学の三学、算術・幾何学・天文学・音楽の四科)のことを指していたそうです。
日本では「リベラルアーツ=一般教養」と解釈されることが多く、現代では、人文科学・社会科学・自然科学の基礎分野を広く学ぶことといった意味合いで使われています。
僕の場合は、特に、哲学、宗教、歴史などの分野への興味が強いです。
独立研究家の山口周さんは、リベラルアーツは「自由になるための技術」であると断言しています。
これはなかなか良い解釈ですね。
僕たちを縛り付ける固定観念や常識から解き放たれ、自らの価値基準を持って行動することを「自由」と呼ぶのなら、リベラルアーツはまさに「自由」になるための技術であるといえます。
僕とリベラルアーツとの出会いについては以下の記事に書いたので、ご覧いただけるとうれしいです。

コーチングとは
一方、「コーチングの定義は?」と聞かれると、これがなかなか難しいです。
世の中には様々なコーチングの流派があり、それぞれが独自の考えを持ってコーチングを実践しています。
そんなわけで、一概に「コーチングとは○○である」と定義することはできないのですが、世界のコーチング理論を俯瞰するのにとても役に立つ『コーチングのすべて』という本は、今日の様々な「コーチング」の共通点として、以下の内容を挙げています。
・コーチングとは、個人の仕事や生活の中での目標達成と能力強化を促進する、認知、感情、行動の持続的変化である。
・コーチングとは、個人の潜在能力を解放し、その人自身の能力を最大限に高めることである。コーチングは、その人が学ぶことを支援するのであり、その人を指導するものではない。
・コーチングは、その人が望む方法で変化することを手助けし、進みたい方向に進む手助けをする。
『コーチングのすべて』ジョセフ・オコナー、アンドレア・ラゲス(英治出版)
コーチングの定義としては物足りない感じがしますが、最大公約数的な共通項は言い表されていると思います。
ちなみに僕は、コーチングを、
「コーチの全人格をかけてクライアントの可能性を信じ、それを解放し実現するために働きかける技法」
といった感じで理解しています。
リベラルアーツの「出会い直し」
ここからが本題です。
今述べてきた、リベラルアーツとコーチングに共通する点とは何でしょうか。
結論から言うと、僕はリベラルアーツとコーチングは、どちらも
「世界および自分と『出会い直す』ための方法」
であると考えています。
僕にとって、リベラルアーツを学び、それについてあれこれと考えることは「世界と出会い直す」驚きと喜びにほかなりません。
「世界と出会い直す」という言葉は、『世界は贈与でできている』という最近非常に注目された哲学書で知りました。いい言葉ですよね。
以前も書いたとおり、リベラルアーツによってある出来事や事柄を考える時に様々な視点を手に入れることで、その問題を相対化して考察することができるようになります。
つまり、リベラルアーツは僕たちに「メタ認知」の材料を提供してくれます。
これによって、それまで「世界ってどうせこういうものでしょ」と無意識的に信じていた常識や当たり前が、ガラガラと崩れていきます。
「ぜんぜんアタリマエじゃなかった!」ということに気づかされるのです。
そうすると、僕たちは世界ともう一度「出会い直す」ことを余儀なくされます。
それまで見えていなかった全く新しい「セカイ」が、目の前に広がっていくのです。
そして、世界と出会い直すことは、取りも直さず「自分と出会い直す」ことでもあります。
それまでと違った「セカイ」と出会い直す瞬間、必ず、大きな衝撃を伴って自己変容が起こります。
それが、僕たち一人ひとりが本来持っている可能性を解き放ち、自由な人生への大きな一歩になるのです。
リベラルアーツを学ぶことは、「世界と出会い直し、それによって自分と出会い直す」という意味があります。
コーチングの「出会い直し」
一方、コーチングは明確に、自分と「出会い直す」機会を与えてくれます。
前述のとおり、コーチングは徹底してクライアントの可能性を信じて支援する技術です。
コーチングを通して、それまで「自分ってどうせこういうものでしょ」と無意識的に信じていた思い込みや「囚われ」から解き放たれていきます。
自分の本当の意志や希望、願い、可能性、能力に気付くことができるのです。
そうすると、その人は自分ともう一度「出会い直す」ことを余儀なくされます。
そして、自分と出会い直すことは、そのまま「世界と出会い直す」ことでもあります。
自分と出会い直した人にとって、世界はそれまでとまったく違った様相を呈するようになるのです。
このように、コーチングを通して人は「自分と出会い直し、それによって世界と出会い直す」ことができます。
まとめ:「世界と自分」と出会い直す
「自由になるための技術」であるリベラルアーツ。
リベラルアーツによって、人は「世界と出会い直し、それによって自分と出会い直す」ことができます。
「クライアントの可能性を信じ、働きかける技法」であるコーチング。
コーチングによって、人は「自分と出会い直し、それによって世界と出会い直す」ことができます。
したがって、リベラルアーツとコーチングの共通点は、どちらも「世界および自分と『出会い直す』ための方法であるということができます。
僕自身、リベラルアーツを学ぶことでもっと世界と出会い直したいですし、
コーチングを通して、人が「自分と出会い直す」瞬間をもっと支援していきたいなと考えています。
リベラルアーツやコーチング、なんか面白そうかもと思った方は、ぜひゆるくお話しましょう〜。
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